2020/04/14
- 高齢者の腰痛の原因として注意したいのが「圧迫骨折」です。
- 「骨粗鬆症」で骨がもろくなることで原因で起こります。
- 目次
- もろくなった腰椎が押しつぶされる「圧迫骨折」
- ・痛みは「姿勢」と関係している。
- 治療法…骨全体に対して骨粗鬆症の治療を行う
- ・骨粗鬆症の治療
- ・腰痛に対する治療
- ・日常生活に支障がでたら、手術を検討
- まとめ
もろくなった腰椎が押しつぶされる「圧迫骨折」
- 高齢者の腰痛の原因は、様々ですが、その中で最も注意が必要なのが、骨が潰れる
- 圧迫骨折です。
- 圧迫骨折はほとんどの場合、骨粗鬆症によって起きます。骨粗鬆症は加齢によって、骨
- の中のミネラル量が減り、骨がもろくなった状態です。
- 骨粗鬆症でもろくなった腰椎に負担がかかると、骨が押しつぶされて、腰痛などの症状
- が現れます。これが圧迫骨折です。
- 高齢者の場合は、ちょっと尻もちをついたり、重いものを持っただけで、圧迫骨折をお
- こしてしまいます。高齢者だけでなく、閉経前後の女性も、骨粗鬆症になりやすいため
- 圧迫骨折には注意が必要です。
- ◆痛みは「姿勢」と関係している
- 圧迫骨折を起こすと、骨が潰れるために、強い痛みが出ます。しかし、やがて骨が固ま
- ってしまうと、多くの場合痛みは消えます。
- しかし、潰れた形のまま骨が固まってしまうため、痛みは消えても、背中全体が曲がっ
- てしまいます。おなか側の骨が潰れることが多いため、前かがみの状態で、背中が曲が
- ることになります。すると、歩行などの日常生活で腰や背中に大きな負担がかかります
- その結果、慢性的な腰痛が現れてきます。
- 高齢者の場合、骨折時にあまり痛みを感じず、気付かないまま圧迫骨折が進み、背骨全
- 体が変形してしまうことがよくあるため、注意が必要です。
- 痛みを感じにくい高齢者の圧迫骨折を早期に発見するには、本人はもちろん、家族など
- 周囲の人も、日常の姿勢などに、目を向けましょう。
- 「姿勢が前かがみになっていて、その姿勢が辛い」「あおむけに寝ることができない」
- 「身長が急に3cm以上縮んだ」などの症状が見られたら、早めに医療機関での検査を
- 受けることをお勧めします。
骨全体に対して骨粗鬆症の治療を行う
- 骨全体がもろくなっているため、一度圧迫骨折を起こすと、再発しやすくなります。
- そのため、初期の段階で、しっかり治療をしておくことが大切です。
- ◆骨粗鬆症の治療
- もともとの原因である、骨粗鬆症に対して薬物療法を行い、骨をできるだけ強くして、
- 圧迫骨折の再発を予防することが重要です。
- 骨粗鬆症の治療には運動療法も重要です。体を動かすと、骨に負荷がかかり、そのこと
- が骨の形成を促進します。筋肉が鍛えられ、骨折のきっかけになる転倒を予防すること
- にもつながります。
- 運動は、週2~3回続けてできるものが良いでしょう。高齢者には「ウォーキング」を
- お勧めします。
- ◆腰痛に対する治療
- 骨粗鬆症の治療をしながら、腰痛に対する治療も行います。腰痛治療には「保存療法」
- と「手術療法」があります。保存療法の中心は、薬物療法です。
- 腰椎の安定性を確保するために、「コルセット」装着したり「ギブス」をすることもあ
- ります。これらの治療により、痛みが治まったら、ウォーキングなどの運動を行ってい
- きます。圧迫骨折で猫背になっている人は、「杖」を使って歩いたり、「シルバーカ
- ー」を引いて歩いたりするとよいでしょう。
- ◆日常生活に支障が出たら、手術を検討
- 保存療法を行っても痛みが改善せず、日常生活に支障が出ている場合は、手術療法を検
- 討しましょう。手術は方法にもよりますが、30分から1時間程度で終わり、数日の入院
- 必要ですが、退院後はすぐに日常生活に戻ることができます。
- 骨粗鬆症が重いと、他の部位に圧迫骨折が起こる可能性があるので、術後も、骨粗鬆症
- の治療を継続していくことが大切です。
- まとめ
- 「圧迫骨折」は、「骨粗鬆症」によって骨がもろくなって起こることが多いです。
- 腰痛の治療と共に骨粗鬆症の治療も行いましょう。