2019/12/24
はっきりと原因が特定できない腰痛が最も多い!
腰痛の原因はさまざまですが、年代によって、原因に傾向が見られます。
- ・10~40歳代…椎間板ヘルニア。
- ・50~70歳代…脊柱管狭窄症。
- ・70歳代以上には…圧迫骨折。 などが多くを占めています。
ただ、腰痛の原因が特定できないケースが非常に多く、原因がはっきりしているのは、全体の約15%です。
残る約85%は、原因が特定できません。つまり圧倒的に多いのは、原因不明の腰痛です。
”原因が特定できない”とは、エックス線検査などの画像検査で、骨の異常や神経が圧迫されているなどの明確な原因が見つからない、
あるいは症状と合わないという意味です。
「腰痛」とは腰の痛みの総称で、原因の特定できないものは腰痛症または「非特異的腰痛」と呼ばれています。
原因は、画像検査では異常が発見されにくい筋肉や関節、椎間板などにあると思われます。
特に、筋肉に関係する腰痛が最も多いと考えられています。
腰痛症は、心配する必要のある場合はあまりなく、日常生活で適切に対応すれば、痛みは軽減でき、予防も可能です。
筋肉が背骨を支えることで腰の負担を軽減する!
背骨(脊柱)は横から見ると、緩やかなS字カーブを描いています。このカーブがあることで、上半身の重さが前後に分散され、腰に
かかる負担が軽くなるのです。一方、脊柱の腰の部分は、「腰椎」と呼ばれる5つの椎骨で構成されています。
この腰椎を含めた脊柱全体を支えているのが筋肉です。
脊柱を主に支えているのは、腰椎の前側にある「腹筋」、腰椎の後ろ側にある「背筋」です。腹筋と背筋が、腰椎をしっかり支えて
安定させることで、脊柱のS字カーブが維持できます。
しかし腰回りの筋肉は、30歳代から老化が始まり、運動不足などが加わると、筋肉はさらに衰えていき、やがて脊柱を支えきれずに、
姿勢が悪くなります。すると姿勢を保とうとして筋肉が緊張し、コリや痛みが現れます。痛みがあるとあまり動かなくなり、
筋肉も使わなくなります。そのために、さらに筋肉が衰えるという、悪循環を生むのです。
また、体を動かさないでいると、筋肉が硬くなり、腰回りの柔軟性が失われてしまい、可動域が狭くなります。すると腰を少し
動かしただけでも、可動域の限界に達して、痛みが生じていまいます。
まずは姿勢をチェック。筋肉を鍛える運動も行う!
まずは、鏡の前に立って横を向き、自分の姿勢をチェックしてみましょう。耳、肩、股関節、膝、足首が、一直線に結ばれていれば、
脊柱が緩やかなS字カーブを保ったよい姿勢です。猫背はもちろん、背中が反り返っていても、よくありません。
脊柱の形が不自然になり、腰痛を起こし易くなります。
痛みの改善および予防に効果的なのが、運動療法です。腹筋や背筋を鍛えて、脊柱を支える力を高めたり、硬くなった筋肉を軟らかく
したりします。
ウォーキングや水泳、水中ウォーキングなどで、全身をよく動かくことも大切です。腰痛症は、心理的なストレスも痛みの原因に
なりますが、運動はストレス解消にもつながります。
継続することで、腰痛の改善が期待できる!
原因が特定できず、3カ月以上続く「慢性腰痛」の症状改善に、運動療法が効果的だとされています。
再発の予防にも、高い効果が期待できます。ただ、始めたからといってすぐに効果がでるものではないので、最低でも数カ月は
継続しましょう。注意したいのは、激しい痛みがあるときは、運動は控えて安静にすることです。ある程度痛みが治まったら、
また運動を再開するようにしましょう。
まとめ…腰痛の多くははっきりした原因が見つからない「腰痛症」です。
運動療法によって予防・改善が期待できます。