2020/10/30
- 当院に来院する患者様の中にも、足のしびれを訴える方は多いです。
- 片足だけしびれていたり、痛みや腰痛、むくみが伴っていたりと症状も様々です。
- 足のしびれが気になる場合の、しびれの原因、考えられる病気について解説します。
もくじ
- しびれとは
- 足のしびれの原因
- 足がしびれやすい人の特徴
- 足のしびれを改善するためにできること
- まとめ
しびれとは
手や足にしびれを感じるようになった時、自分が脳の病気になったのではないかと心配される方が大勢いらっしゃいます。もちろん、脳腫瘍や脳梗塞といった脳の病気で手や足にしびれることはありますが、実際には脊髄や末梢神経の病気でしびれがおこることの方が多いのです。日本語で「しびれ」と表現する感覚はいろいろな感覚の異常を含んでいます。しびれと言うと正座をした後の足のしびれを思い浮かべる方も多いと思います。正座の後、はじめは自分の足に触っても足には手が触れている感覚がありません。足の感覚がなくなっている感じです。
しばらくすると、足はビリビリ、ジンジン、痛いようなくすぐったいようななんとも言えない強い異常感覚に襲われます。その感覚が薄れるに連れて足の感覚は戻ってきます。
最後に残ったピリピリ、ヒリヒリした弱い異常感覚がなくなってもとに戻ります。このように、感覚のなくなってしまったような感じから、我慢できないようなビリビリ感、何となくヒリヒリする感じなどしびれといっても色々あるのです。しびれを感じる場所も色々あります。
両手両足がしびれるような時や、両手がしびれる時は末梢神経の病気の可能性が高く、右側あるいは左側の足がしびれる時、あるいは両足がしびれるときは腰骨(腰椎)の病気の可能性があります。
右半身あるいは左半身がしびれる時には脳の病気が疑われます。しびれの感じ方や、しびれる場所からどのような病気か推測することができます。では、しびれを起こすような病気にはどのような病気があるのでしょうか。
足のしびれの原因
しびれは、脳から手足の末端まで張り巡らされた神経系のどこかに何らかの異常が生じている場合、または手足の血流が滞った場合に生じると考えられます。
内科的疾患
糖尿病、アルコール性、膠原病、有機溶剤の中毒等が原因で起こる末梢神経障害によってしびれが生じます。
脳疾患
脳卒中、脳梗塞、脳動脈瘤、くも膜下出血等の脳疾患(脳血管障害)が原因で起こる中枢神経障害によって足がしびれることがあります。
脊椎疾患
頚椎症性脊髄症、頚椎・腰椎椎間板ヘルニア、腰椎変性すべり症、腰椎分離すべり症、腰部脊柱管狭窄症等の脊椎疾患が原因でしびれが起こります。
末梢神経障害
大腿外側皮神経麻痺、腓骨神経麻痺、足根管症候群等の疾患が原因の場合があります。
末梢神経に圧がかかることでしびれが生じます。
その他
心因性によるしびれ(精神的ストレス、うつ、更年期障害等)や、部分的に血流が阻害されて生じるしびれなどがあります。
足がしびれやすい人の特徴
足がしびれやすい人の特徴として、以下の理由が考えられます。
生活に支障が出るほどのしびれが続く場合は、医療機関を受診してください。
血流が悪い人
足のしびれは、身体の血行不良が原因で起こるケースが多いと考えられています。
姿勢が悪い人
姿勢が悪いと身体全体のバランスが崩れ、血流も悪くなり、しびれが生じやすくなります。
肥満傾向の人
肥満気味の場合、坐位の際に身体に掛かる負担が大きくなり、神経が圧迫されてしびれが生じるケースがあります。
何らかの疾患が原因
足のしびれは、何らかの疾患のサインの可能性があります。
足のしびれを改善するためにできること
姿勢を正す
日々の良くない姿勢(猫背、背中を曲げる、腰を落として座る等)を見直して、正しい姿勢を維持するようにしてください。
適度な運動を行う
ストレッチ等、適度に体を動かすことで血流が改善されます。
しかし、症状がひどい場合は無理せず病院で相談してください。
体を温める
しびれの原因により異なりますが、しびれや痛みの慢性期は、温めたりマッサージする等で血流が良くなり、症状が緩和されるケースがあります。
体を締め付ける下着や靴下を使用しないようにする
体を締め付けると、その部位が圧迫され血行不良となり、その先の部分がしびれやすくなります。
矯正下着やサイズの小さい服などは避け、できるだけゆったりとした服を着るようにしましょう。
ストレスを溜め込まないようにする
心因的な原因の場合、ストレスや不安、心配等により、しびれが悪化するケースもあるため、ストレス対策にも気をつけてください。
※しびれが重大な脳疾患の前触れである事もあります。症状があったらすぐに医療機関を受診しましょう。
まとめ
- ・足のしびれは、症状をよく聞くことで 診断は可能です。
- ・突然、運動障害を伴うしびれが現れたら緊急受診をしましょう。
- ・足のしびれの受診は整形外科ではなくまずは脳神経内科がおすすめです。